映画「風立ちぬ」

 宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」を観ました。

 ゼロ戦を開発した設計技師堀越二郎氏の半生記というような作品です。

 内容から言えばアニメにする必要のない映画だと思いますけど、でもジブリのアニメならではの表現があって、私は良い映画を観た充実感を感じています。

 子供向きだとは思えませんし、一つのテーマを追求したという印象も受けませんでしたが、飛行機というものに捕らわれてしまった堀越氏の少年時代から始まる物語は、昭和の景色や堀越少年の夢の世界の美しさ、結核を患う女性里見菜穂子との愛と別れ、空を自由に飛び回る飛行機というものに対する憧れを見事に描いて感動的でした。

 ただ物語に起伏が少なく、全体的に淡々としているので、好き嫌いがハッキリ分かれるような気はします。あまり面白くなかったと言う人がいても不思議はない感じ。

 先日NHKを見ていたら、この作品で重要なポジションを占めるイタリアのジャン・カプローニ伯爵のお孫さんという方が出演されていて、ベネチア映画祭で上映される「風立ちぬ」を観るのが楽しみだと話されていましたが、そういう思いを持つ人が観ると深い感動を覚えるような作品だと思います。





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